この日、会社を退職した。いざデスクトップを前にすると言葉がでてこなくて困るし、業務終了を報告するメール等でも感情の矛先に困った。思い返すと1年半ほどしか働いていなくて、3年でブレイクスルー説を体現することができなかったのが心残りと言えばそうとも言える。逆に言うとそれ以外は感傷もなく、終業のタイムカードも軽やかに切れるかと思っていた(タイムカード制は厳密にはなくなっており、google calendar上で予定を入れたに留まったが)。が実際には少し違っていて。帰り道、線路沿いの下り坂で少しだけ目が潤んだ。次に来ようとしている渋谷方面行きの電車へ急ぎ足で向かった。

帰ってからはお湯をはって風呂につかった。濁ったお湯の中で、すこし気持ちがほどけた。ちゃぷちゃぷと手遊びしながら、人生の有り様はこうまでも一筋縄では行かないものかと苦笑しつつ、自分の取捨選択の奔放さに半ば呆れながら、しかしそれらが何一つ望まぬものではなかったということについては一種の僥倖さえ感じていた。流れてしまった時間に復讐は、さておき、一呼吸置いてしなければならないけれども。

お世話になりました。