終電間際の帰りは、一人だとなんだか感傷的な気分になる。対人距離を侵犯されて乗る電車の、押し付けられた先のドアが1mmくらい開いていて、そのスリットから風景が流れるように見えて行く様子を、何も考えないで受け入れるように見ていた。光は筋とならず、点として消えて行く。家に帰って机に座るとどこかから汽笛が聞こえた。そこまでのシーケンスのすべてが美しかった。